そるとれん 昔の旅に出る

言葉をつつららルラらるら。何かあればこちらまで☞araisachi.u@gmail.com

ある女の一生

いつだって嫌われる事を恐れてきました。
ある程度の譲れない部分はありましたし、人並み以上にしっかりした方ではあったかのように思いますが、それは本当に気を遣るという事があってのことでした。
そして恐ろしく単純なくせに猜疑心にまみれていました。
知の面では血を頂いた親すらも信用していませんでした。信じられるものは自分が目で見たもの耳で聞いたもの心で感じたもの。

創作している時間は楽しくて時間が経つのを忘れました。
まるでさぼっているかのような気持ちになって罪悪感すら覚えました
焦燥感に尻を焼かれ、ひたすら生き急ぐ心だけ持って、実際は非常にゆったりと舟を漕いでいたように思います。
そしてそれがまた自分の情けなさ、やりきれなさ、だらしなさで焦燥感を掻き立てました。

 

鮮やかな赤は生きている証。

唇を食むことはあなたから精を頂いているのだと気づいたときに、

誰でも良いわけではないことのわけを知りました。

許されなければ進めない。この道にいっても構わないとあの人にいってもらえないと自分の心さえ決めることができない。

弱さで酔って、仕様もない。

こっそり言葉を綴るくらいが、最大限の抵抗だった。

++

中学校三年生誰もいない放課後の教室で好きになってくれた男の子が好きだった漫画を一緒に好きになってほしいと貸してくれたその漫画の主人公がどうしても好きになれなかったことしか覚えていないのに、教室の机の角の落書きや部活終わりの彼の汗の跡とかどこか懐かしんでしまうんだろうなと感じた夕焼けの風その記憶だけがやたらと鮮明に蘇る

---

手に汗を握りしめ

体の重心は電車のリズムに乗せられて

景色の流れを無我夢中で泳ぐ


誰に会いたくて

心はこんなに、はやるのだろう

探してるつもりで   誰も見てない

 


思ったより夕暮れに早かったので

待ち合わせの場所まで迷おうと決めた

鼻のきくほう  耳のなるほう

あなたは

どこまでも鮮やかな黒をかきわけた後にひかりをくれるような人ですか

自分のことばかりでごめんなさい

わかっているけど わからないんです

本当は自分のことばかりなのに

あなたを気にしているフリが上手なだけなんです

 

空ばかり見てたら つまずきました

ほら 私

手を差し伸べてくれたあなたに

申し訳ない

あなたのせいにして

振り払ってしまった後の

その

行き場を失った右手

 

そんなに潤んで

誰も知らないまま生きていくのは勿体ない

 

勝手に自己満足して解釈した

都合のいい 気持ちのいい 未来への理論

 

景色はどんどん、捉える前に過ぎていってしまうんですね

待っていてはくれない

瞳でシャッターを切ったときに

溢れた涙

窓の瞳に反射した

グズグズのわたし

不自由な熱帯魚

自由でいることの不自由さに

割と早めに誰もが知る

そのためのルールなんだと

知りながら目を伏せる

だって考えない方が楽だもの

 

なんでこんなに、遠くにいけないのかって自分を疎んでいたけど

いかないことを選んでいたのはいつだって自分自身だったな

夏のひかりに透き通る葉脈だって

川のうねりに削られて変わる前の岩だって

少し勇気を出せばいつだってすぐに触れられた

悩んでいる暇があれば会いにいけば良かった

家も仕事も学校も

守ってくれているなんて幻想だね

不自由の自由

水槽の中の金魚

熱帯魚にもなれない 私達

勇者たちの午後

影で伸びた杖が剣に見えた

勇者たちの 背中

小さく 長く 滲む膨張

寂しい夕焼け

変わる必然 変わるまいと固まる

固まって こわばって

解かれゆく日

 

先人たちの想いに馳せる

心 疼く 嘘 つけずにまた

大丈夫ですか の一声で

許された気がした

日曜 午後 昼下がり 揺れる カーテン

貴方はいつも惜しむように私の頬を包む

柔らかくて広大な 消えてしまいそうな手で

貴方はいつも泣いているように微笑む

私が首を傾げる度に まるでどこか遠くへいってしまうみたいに


愛なんて知る前

貴方が囁く前

寂しい言葉に縛られていた


光の速度で輝く

夢は消えないと気付く

瞳孔が開いて 貴方を知る

 

幸せかと聞かないで

言葉にすれば嘘のよう

何もかも疑うフィルターすり抜けて

 

愛してると言わないで

涙が出るその言葉

何もかも貴方なしでは生きない言葉たち

私の弱さを無駄にしないよう

 


貴方はいつか消えることを望むと言う

やめて 暗い 怖い と喚く後

手のひらが目を覆い 抗えない現実を映す

 


愛なんて知る前

貴方が囁く前

それまでの世界が嘘のように

俯いた目を放って 輝く未来を探す


幸せかと聞かないで

頷くので精一杯

木漏れ日のような日々が終わらないよう祈ってる


愛してると言わないで

瞳をみればわかるから

言葉は信じられない きっと私が私を辞めても

抱きしめて 奮い起つこの想いが全てだわ

全てだわ


恐れるものは何も無い

たった1つ言うならば

木漏れ日のような日々が終わらないよう祈ってる